タイル百年祭でタイルの歴史とレトロなデザインを満喫

タイル百年祭とは?

2022年11月5日(土)6日(日)に多治見市のセラミックパークMINOでタイル百年祭というイベントが開催されました。

私たちが普段よく目にする「タイル」は1922年4月12日の平和記念東京博覧会で初めて名称が統一されました。

それまでも建材などで現在のタイルの前身となる「敷瓦」や「和製マジョリカ」「泰山タイル」はありましたが、現在の「タイル」という名称が生まれてから100年という節目を迎えたのです。

日本の「タイル」名称誕生前夜のお話はこちら↓

日本のタイル100年-美と用のあゆみ展を見てきました↓

杉江製陶所の貴重なタイル

こちらは常滑にある杉江製陶所で実際に使われていたタイルたち。
残念ながらすでにこのタイルが使われていた工房は解体されてしまったのですが、この貴重なタイルを救出しよう!という有志のプロジェクトにより、無事に救出されました。

こちらは戦前に床の建材として使われていたそうですが、とてもモダンでおしゃれ!そしてなんだか自由な愛らしさも感じます。

建材として使われることの多いタイルが価値を見出されて保存されるケースは少ないようで、今も古くなった建物の解体とともに失われていくタイルがどこかにあるのかもしれません。

安全性や維持コスト、後継者不足などさまざまな問題があるので、古くなった建物を遺していくことは簡単ではありませんが、このタイルのように素敵な意匠が受け継がれていくと良いなと思いました。

昭和レトロな雰囲気のタイルカタログ

となりのブースでは実際に使われていたタイルカタログが勢ぞろい!
これだけ多くのタイルのデザインを一気に見るのは初めてかもしれません。

タイルって白や水色の無地のイメージがあるけど、とてもおしゃれで自由で奥深い!
昔住んでいた家のお風呂ってこんなのだったよな〜とか、懐かしく感じる人もいるのではないでしょうか。

テキスタイルや模様を見るのが好きな人にはきっと見飽きることがないのではないかと思います。

美濃焼とタイルの歴史に触れる展示も

顔料によって色彩豊かなタイルのデザインが表現されています。

タイルが生まれる前からある美濃焼についての展示も充実していました。

美濃や瀬戸が焼きものの産地として栄えたきっかけは、なんと500万年も太古に遡ります。
現在の愛知県(濃尾平野)〜岐阜県あたりには琵琶湖の6倍とも言われる「東海湖」という湖が存在し、周辺の花崗岩などの成分が湖へと流れこみました。
そして、長い時間をかけて湖底に形成された地層が陶磁器に適した土として使われるようになったのです。

そうした自然条件もあり、豊かな土壌を持つ美濃地方では1300年前から焼きもの文化が広がって今に至っています。
またいずれ、歴史を深掘りする記事も紹介したいと思います。

飲食やワークショップもあり家族で楽しめるイベント

タイルでできたメルヘンなおうちは子どもに大人気。

貴重なタイルの展示の他にも、飲食店のブースやタイル屋さんのアクセサリーの販売など、大人から子どもまで楽しめるお祭りになっていました。

焼きものに詳しくない人もふらっと遊びにきて、タイルの魅力や可能性を知れる素敵なイベントでした!
今年は節目の年ということでしたが、今後も定期的にイベントが開催されたらまた遊びにきたいと思います。

タイルの展覧会情報

江戸東京たてもの園では、現在「日本のタイル100年-美と用のあゆみ」を開催中。
昨年、愛知県常滑市と岐阜県多治見市を巡回したタイルの展示を東京でも見ることができます。
奥深いタイルの世界をぜひお楽しみください。

日本のタイル100年-用と美のあゆみ
会場:江戸東京たてもの園
会期:2023年3月11日(土)〜8月20日(日)
公式サイト(外部リンクに遷移します)

タイル名称統一百周年の公式サイトはこちら
タイル名称統一百周年(外部サイトに遷移します)

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