愛知県常滑市といえば、中部国際空港(セントレア)があり、東海地方の空の玄関口として多くの人が訪れます。
そして、古くから常滑焼の産地として知られる窯業のまちです。
今回は常滑で焼きものの産地ならではの景色を探しに、ぶらりとまち歩きをしてきました。
やきもの散歩道で非日常に迷い込む
常滑駅から徒歩5分ほど。
道路沿いの壁の上に巨大な招き猫が現れます。
この招き猫は見守り猫の「とこにゃん」
常滑を訪れる人をチャーミングに見守っています。
やきもの散歩道へはとこにゃんを過ぎたところにある陶磁器会館から入っていくとわかりやすいです。
やきもの散歩道には窯業で栄えた産地ならではの景色があちこちに残っています。
土管坂
やきもの散歩道の象徴的ともいえるスポットが土管坂です。
土管坂は明治期に大量生産された土管や、昭和の頃に作られた焼酎瓶が埋められた壁に挟まれています。
地面には焼きものを作る道具の廃材が埋め込まれ、独特な風景はフォトスポットとしても人気です。
常滑では明治期以降、近代化によって需要が増えた土管を生産してきた歴史があります。
焼きものの土管は上下水道や暗渠など、街の都市化を支えました。
土管坂ではそんな常滑の焼きものの歴史の一端を感じられる場所となっています。
やきもの散歩道は小高い丘の上にあり、細く曲がりくねった道を歩いているだけでも非日常の気分が楽しめます。
細い道を曲がったり、階段を登り切ったりすると、その先には予想もしていない景色が現れるので、目的を持たずに散策してみるのもおもしろいかもしれません。
煉瓦煙突
坂を上り、駅とは反対方向に進んでいくと、もう一つ焼きものの産地ならではの景色に出会うことができます。
それは煉瓦づくりの煙突。
いまではもう使われていませんが、かつてはこの煉瓦煙突からもくもくと黒煙が吹き出していたそうです。
常滑では1900(明治33)年に窯業関係者が組合を結成し、石炭で焼きものを作る試みが始まりました。
薪による焼成は燃料代が不安定なこともあり、日本の伝統的な登り窯とは異なる石炭窯が常滑では広がった経緯があります。
煉瓦づくりの煙突は近代化産業遺産としても貴重な風景のひとつです。
参考:とこなめ陶の森HP
やきもの散歩道で立ち寄ったお店
古民家スペース imawo
古民家スペースimawoはやきもの散歩道にある古民家を活用した複合施設です。
施設内にはカフェ・雑貨店・シェアスペースがあり、訪れた人の交流の場にもなっています。
プラントベースのメニューを扱う「まわるカフェ」や、「いらないもの」に付加価値をつけて新たな製品を生み出す「まわる雑貨店」を通じて、いらないものが人の手を介して「まわる」エシカルな場所となっています。
BARBARA COFFEE ROASTERS
常滑の自家焙煎コーヒー店「ケディバシュカン」の姉妹店。
一歩足を踏み入れれば、独特の世界観の中へショートトリップできます。
不思議と落ち着くアンティークな空間の中で、美味しいコーヒーとスイーツが楽しめます。
BARBARA COFFEE ROASTERS Instagram
まとめ:何度も歩くとより深く楽しめる常滑
今回はふらりと立ち寄りましたが、まだまだ行けていないスポットやお店もたくさんあるので改めてじっくり歩いてみたいと思います。
常滑は愛知のターミナル駅である名古屋駅からも特急で35分ほどで到着します。
先述の通り、中部国際空港のある街なので、遠方から愛知県に訪れる際にもぜひ立ち寄ってみてください。
アクセス情報
やきもの散歩道
名鉄常滑線「常滑駅」より徒歩約7分
駐車場情報:とこなめ観光ナビHP
常滑の見どころ
INAXライブミュージアム
名鉄常滑線「常滑駅」より徒歩約25分
INAXライブミュージアムHP
とこなめ陶の森資料館
名鉄常滑線「常滑駅」より徒歩約25分
とこなめ陶の森HP