山陰は民藝や手仕事が息づいている土地です。
焼きものをはじめ、因州和紙や倉吉絣など、古くから人々は手仕事によって暮らしの道具を作りながら生活してきました。
鳥取の民藝の振興を語るとき、忘れてはならない人がいます。
それは民藝運動のメンバーでもあり耳鼻科医でもあった、吉田璋也(1898-1972)という人物です。
吉田璋也は医師として働きながら、故郷・鳥取の民藝をプロデュースし、山陰に残されていた手仕事の数々を広めるために尽力しました。
その足跡をたどり、民藝の地をめぐるため、鳥取に訪れました。
2泊3日の鳥取の民藝旅を連載でお届けします。
旅の拠点・鳥取駅へ
朝8時半、名古屋駅から姫路駅に向けて新幹線で出発。およそ1時間20分の道のりなので、意外と近い印象です。
姫路からは倉吉行きの特急スーパーはくとに乗り換え、ここからは1時間半ほど内陸に向けて山あいの町を縫うように進んでいきます。
スーパーはくとの洗面所には鳥取の因州中井窯の掛け分けの洗面ボウルと、倉吉絣の暖簾がかかっていました。
いよいよ鳥取に行くんだ!という気分が高まってきます。
たくみ割烹店で民藝のうつわと食をたのしむ
正午ごろ、3時間半を経て鳥取駅に到着。
お腹も空いたのでさっそくお昼ごはんをいただきます。
ランチはたくみ割烹店へ。
今回の旅の目的でもある鳥取民藝美術館、たくみ工芸店と並び、民藝が好きな人にはよく知られたお店です。
鳥取の食材を使った割烹料理やカレー、ハヤシライスなどの人気メニューを民藝のうつわでいただきます。
また、しゃぶしゃぶの元となったすすぎ鍋が生まれたお店でもあるのだそう。
この日はカレーとハヤシライスのあいがけをいただきました。美味しかったです!
お腹を満たした後は、レンタカーを借りてさらに西へと向かいます。
福光焼の窯元
「因幡の白兎伝説」で知られる白兎神社に立ち寄り、日本海を見ながらのドライブ。
途中、因州和紙の生産が盛んな青谷地区も通過。次はここにも立ち寄ってみたいです。
車を走らせること約1時間、のどかな田園風景が広がる倉吉市の福光地区に到着しました。
ここには福光焼の窯元があります。
福光焼は民藝運動のメンバーでもあった陶芸家・河井寛次郎の孫弟子にあたる河本賢治さんが約40年前に開窯した窯元です。
蹴ろくろと登り窯でのものづくりにこだわり、すっきりとシンプルながら温かみのある面取りのうつわを多数製作されています。
工房に併設されたギャラリーでは、河本さんと、息子の河本慶さんの作品を購入することができます。
(訪問は要予約)
東郷池
1日目は倉吉市のおとなり、湯梨浜町にある東郷池の湖畔で泊まることにしました。
東郷池は「池」という名前がついていますが、周囲が10kmほどもある汽水湖です。
湖底から温泉が湧き出ている珍しい湖で、近くには「はわい温泉」や「東郷温泉」があります。
hakusen
hakusenは東郷池のほとりにある静かなカフェです。
白を基調としたシンプルな店内では、焼き菓子やコーヒーをいただくことができます。
眼下に広がる空と湖を眺めながら、長旅で疲れた体をゆっくりと休めます。
この日は小雨が降っていたのですが、晴れている日に来たらさらに気持ち良いだろうなあと思いながらおいしいコーヒーをいただきました。
汽水空港
汽水空港は東郷池の湖畔にある本屋さん。
本屋さん、という括りが合っているのかはわからないほどいろいろな活動を展開されていて、数年前からずっと気になっているお店です。
元々は倉庫だったところを改築して、新刊本・古本屋、喫茶店、ギャラリー、畑などを作られています。
残念ながらこの日はやっていなかったので、また鳥取に再訪するときには訪れたいと思います。
中国庭園 燕趙園
日本最大級の中国庭園・燕趙園。
中国の河北省との友好を記念して開園しました。
中国の材料や技術を駆使して本格的な中国庭園が再現されています。
中国雑技団のショーなどイベントも開催。
道の駅としても整備されているので、ドライブやサイクリングの休憩スポットとしても立ち寄れます。
2日目の旅はこちら
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3日目の旅はこちら
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comming soon…
・鳥取砂丘
・邯鄲堂
・鳥取民藝美術館
・たくみ工芸店
・温泉
まとめ
初日は移動もあったので、のんびりと東郷池の湖畔を目指してドライブを楽しみました。
迫力のある日本海やはわい温泉、因州和紙のあおや和紙工房など、今回紹介していない見どころもたくさんあります。
湖のあるまちの雰囲気は穏やかで、のんびりとしていてとても良いところでした。
またいつか再訪したいと思います。
アクセス情報
たくみ割烹店
福光焼
※要予約